化学系の派遣の仕事をしていたk-oです。以前、私の経験をもとに化学系の派遣はオススメしないという記事を書きました。今回は視点を変えて、
従業員数の多い派遣会社はオススメしない
ということについて、私の考えをいろいろ書こうと思います。
自分の経験をざっくり説明
私がいた派遣会社は非常に従業員が多いところでした。私が入社した頃は、
- 従業員数:約8,000人
- 新入社員:約500人
と、それはそれはたくさんの方々がいらっしゃいました。現在は1万人くらいいるんじゃないでしょうか?
これだけの従業員がいて、取引先もかなり多かったので、経営自体は安定していたようです。
ただ、この会社にいるうちに、従業員数の多さが『安定』以外のところで、良からぬ事態を引き起こしてるんじゃないか、と個人的に感じるようになりました。
その辺について、説明しようと思います。
オススメしない、根本的な理由
先ほど述べた『良からぬ事態』はいろいろとあるんですが、それを突き詰めて考えると、一つの理由にたどり着きます。それが、
手当たり次第に人を採用する
という理由です。
派遣会社は人が多いほど儲かるので、とにかく採用に必死です。
私と同じ職場にいた中途採用の方は、
「面接始まっていきなり配属先の話になった」
とおっしゃっていました。普通の面接で聞かれるような質問はされなかったようです。『その人がどんな人か』というようなことは、会社からすれば関係ないということです。
この『手当たり次第に人を採用する』ことで起こる事態を3つ説明します。
ちなみに面接の話ですが、新卒の場合は中途と違い、結構親身になって話をしてくれます。しかし今考えると、これも人をとるための策略だったのかと思います。
面接以来、その親身になって話してくれた面接官とは一切関わりがありませんでした。また、勤務条件なども、良さげなことを面接で話しておきながら、ほぼ守られませんでした。
就活が上手くいかなくて焦っているときは、特にこういったやり方に惑わされやすくなります。(私もそうでした・・・)新卒の方は十分ご注意ください!
一人一人を評価できない
『手当たり次第に人を採用する』ことで起こる事態の一つ目は、
『一人一人を評価できない』です。
私のいた会社は全国に拠点があり、派遣社員はそれぞれの拠点に配属されます。そして、その拠点から、取引先の企業へと派遣されます。
そして仕事の評価ですが、所属する拠点の拠点長が最終的に決定します。しかしこの拠点長、現場を一度も見たことがありません。それどころか話したこともない。人によっては顔と名前も一致しない、なんてこともあるでしょう。
理由はいろいろ考えられますが、人が多すぎて一人一人を見れないというのが主な理由ではないかと思います。
現場の上司の評価が伝わるとはいえ、自分の存在を認識してるかわからないような人に最終評価を下されます。到底納得できるものではありません。
評価制度自体もあやふやです。
例えば私がいた会社では、評価システムの中に、現場での表彰回数によって加点される、というようなものがありました。派遣社員に対する表彰制度は、現場によってかなり異なります。派遣社員に対する表彰が一切ない職場もあれば、頻繁に表彰する職場もあります。
恐ろしいことに、私がいた頃はこの職場による違いを一切考慮せずに評価が下されていました。運よく表彰の多い職場に配属されないと、高評価を得られないということになります。
つまり、人が多すぎることで、『個人の違いや、職場の違いすらも考慮しきれず評価する』という事態に陥ってしまっているわけです。
てきとうな役職を作っててきとうな人にやらせる
『手当たり次第に人を採用する』ことで起こる事態の二つ目は、
『てきとうな役職を作っててきとうな人にやらせる』です。
一つ目の話から、「役職者を増やして細かく管理できるようにしよう」みたいなことを考えるわけです。しかしこれが上手くいかないんですね。
まず、新しくできる役職ですが、急激に増える社員に対応するために急いで作るので、どういった役職なのかが全然わかりません。カッコつけて横文字の役職名をつけてましたが、全く意味不明でした。
そして、役職につかせる人の選び方も問題でした。一つ目で書いたように、会社は一人一人がどういった人かを認識していません。そのため、とりあえず年齢順につかせるしかないんです。人の評価・管理に明らかに向いてない人もやらされたりします。
存在意義の分からない役職に、不適格な人を選んでしまう。その結果、『一人一人を評価できない』という悪循環が生まれる、という状況でした。
研修の質が低い
『手当たり次第に人を採用する』ことで起こる事態の三つ目は、
『研修の質が低い』です。
派遣会社は自社の社員に対し、1年間で8時間以上の研修をすることが派遣法により義務付けられています。
私のいた会社では、この研修を自社の役職者が行っていました。なので、二つ目で説明したような、明らか向いてない人が研修を行うことがあるんです。
私が受けた中で一番印象に残ったのが「議事録の書き方」についての研修です。
まず、始まってすぐに
「議事録の書き方についての研修を行います。といっても、私は今まで一回しか書いたことないんですけど」
「は?」って感じでした。一回だけって・・・。
その後は、
- ネットで調べた文章をコピペした資料を読み上げるだけ(図などは一切なし)
- グループワークの段取りが超絶悪くてグダグダ
という感じでした。自分でやれば30分もかからず勉強できる内容ですが、2時間も続きました。本当にひどい内容でした。(研修を担当させられる側もかわいそうではありますが・・・)
手当たり次第に人を採用することで、
一人一人がどんな人か分からない→ふさわしくない人に役職を与える→研修の質が低くなる
という連鎖が起こってしまったのです。
まとめ
これまでの話をまとめると、人を増やしすぎたことで、
- 社員一人一人を評価できない、認識すらできない
- 不適切な人が役職者に選ばれ、管理できない
- まともな教育ができない
という事態を引き起こしている、ということです。
私のいた現場には他の派遣会社の方もいらっしゃいましたが、その方も私と同じようなことを感じていたようです。会社によって程度は違うでしょうが、『手当たり次第に採用することでよくない事態になっている』のはどの派遣会社も同じなのかな、と思いました。
考え方を変えれば、こういった会社は誰でも簡単に入れるということになりますが、その分辛い現実が待っています。気をつけてくださいね・・・
コメント